オレンジで時計は動くのか?
- 尼子
- 2016年6月20日
- 読了時間: 3分
「オレンジ仕掛けの時計」と題して、放課後まな部の科学部の体験イベントを先日行いました!
内容は中3の教科書にも載っているレモン電池をちょっと改造したバージョンです(レモン電池より”おいしい”のが一番のポイント!)。
3人の子どもたちが来てくれて、興味深々で実験してくれました。
今回は「オレンジで時計を動かせるか」にチャレンジしてもらいました。

オレンジとちょっとの道具だけで時計が動くわけない?
ちょっと試してみましょう。
まず真っ二つに切って、

二種類の金属板を差し込む
たった、これだけで電池のできあがり

いや動かないんだけど?

電圧計で測ってみたところオレンジ電池一個の電圧は0.8V。
普通の電池が1.5Vくらいなので、半分しかありません。これでは動きませんね……
でもそういう時はチカラを合わせればいいんです!
隣の人のオレンジ電池と合体!

これで1.6Vの電圧が確保されるはず。
そしてついに
動いた!

少しわかりにくいですが、電池の代わりにオレンジと直接つながっています。
本来のボタン電池が入っていないにもかかわらず、デジタル時計がちゃんとつきました!
さて実はレモンやオレンジだけでなく、実はいろんなものが電池になります。
ただの塩水だって立派な電池になるんです。
そこで、今回一番電池に”なりそうにないもの”をみつくろって持ってきました。

ニンジン、マッシュルーム、なす、ばなな。およそ電気からは程遠い野菜や果物たち。
「バナナはいけそうだけど、マッシュルームは無理やろ~」
と、子どもたちは(そして大人も)マッシュ電池には懐疑的です。
さあ(おそらく)世界初、果たしてマッシュルームから電気はとれるのか!?
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なんと、オレンジよりも弱いですが、マッシュルームからでも電気はとれました!(ちょっと見えにくいですが)これには一同びっくり。
他のもすべて電池になりました。写真はすべてつなげた回路です。
なんと冷蔵庫の残り物なメンツでも2.4V近い電圧を発揮します。

今回使った材料はそれぞれ、
オレンジ:0.8V
なす:0.64V
ニンジン:0.68V
バナナ:0.67V
マッシュルーム:0.65V
でした(電圧とは簡単にいえば電池のパワーを表すもので、単位はV(ボルト)書きます)。
オレンジ以外はどれも同じくらいの電圧です。
これは基本的にこのような電池の反応には二種類の金属と水分が重要な役割を果たすためです。
どの野菜も基本的に同じしくみで電池になっているので、同じような電圧がとれるというわけですね。
一方オレンジ電池は0.8Vとほかの野菜などにくらべすこし電圧が高くなっています。
これはオレンジの中に含まれる酸が影響していると考えられます。
実際に果物の中で何が起こっているかは複雑で簡単に説明できるものではないですが、おそらくレモンやオレンジなどの酸味のあるものに関しては中学校で習ういわゆるボルタ電池のような反応が起こっているのでしょう。
今回の実験では意外と身近なところに電池になりえるものが潜んでいることがわかりました。
マッシュルームが電池になるなんて、やっぱり科学はおもしろ不思議!
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