大阪高校入試制度~内申編1~
- 尼子
- 2016年5月31日
- 読了時間: 3分
内申点
入試当日の試験と同様に合否のカギを握るもの、それが内申点、いわゆる成績表ですね。
試験当日奇跡が起きて、山をはったところがすべてピンポイントで出題されて、しかも勘で解いた選択問題までことごとく当たってすごい高得点を取ったとしても、中学での素行や成績が悪く、そのせいで内申が悪かったりすると落っこちることもあります。
入試の成績はテストの結果だけではなく、内申点も併せてみるからです。
だから、特に3年生になると成績表とにらめっこして一喜一憂する羽目になります。
相対から絶対へ
この内申点、つまり成績表に付けられる10段階評価の数字は大阪では少し前まで「相対評価」でした。
しかし、平成28年度入試から、「絶対評価」に変わっています。
とはいえ、この二つ、何が違うのでしょうか。
相対評価は他人との比較で成績をつけます。成績順に生徒を上から並べていき、上位○パーセントが10でその次○パーセントが9という感じです。
一方絶対評価はそういった比較をしません。もし成績がテストのみでつくと仮定したら、テストの点が90点以上なら10、80~90なら9といった感じです。
極端な話、全員がものすごく数学が得意で、みんな数学のテストで100点をとれば、全員が全員数学の成績が10になります。
もちろん、そんなことはありえないので、テストが簡単すぎることを疑うことになりますが・・・。
このときもし相対評価なら、全員100点でも成績1や2の人がでてくることになります(仕方なく普段の授業態度などでなんとか序列するんでしょうが、教師はひどく苦悩するんでしょう)。
全員同じような点数を取ることなんてありえないんだから、別にどっちでもテストの点が良ければ成績がいいことにかわりない、と思うかもしれません。
同じ学校ならそれでいいんですが、相対評価の比較が学校によってちがうのです。
たとえば、相対評価で名門私立中学の成績5と公立中学の成績5だったら、別に公立中学を貶めるつもりはありませんが、実際明らかに差がありますよね。
相対評価だと賢い学校に通っているほど低くでてしまいます。
それでも入試では同じ点数として扱われるのですから不公平ですよね。
絶対評価はそんな不公平を是正するために導入されたのです。
全国的に絶対評価が基準になってきているので、私個人としては非常に良い変更じゃないかなと思います。
ただし、同じテスト問題を使うわけではない(平均の基準を作るのには使いますが)ので完全な絶対評価とはならず、そこは注意が必要かもしれません。
副教科のエコひいき、なくなる
以前は生徒にこう言っていました。
「3年生の二学期の期末テストで内申がほとんど決まってしまう。全部大事だが、特に副教科をがんばれ」
なんでわざわざ入試を控えた時期に、入試にでない副教科に力を入れろと言っているのかというと、以前は5教科の内申と副教科の内申の「重み」が違ったのです。
たとえば、五教科合計30点、副教科合計30点の生徒がいたとすると、実際の内申点は五教科の方は×3で90点、副教科の方は×5で150点と同じ点数でも大きな開きが出ていました。
だから副教科をがんばれと言っていたんですね。
逆にこのことを知らずに副教科をおろそかにしていると、予想以上に入試に響いてきます。
ただ、試験で見ることができないとはいえ、普通科で体育や技術家庭科などの評定をそんなに優遇する意味があるんでしょうか。ちょっとエコひいきに見えます。
そこで新しい制度では主要五教科も副教科も平等に同じ重みで扱うことになりました。
だから今度はセリフを変えなくてはいけません。
「3年生の二学期の期末テストで内申がほとんど決まってしまう。全部大事だから、全部がんばれ」
Comentários