鉄球と羽根はどっちが早く落ちる?
- 尼子
- 2016年5月26日
- 読了時間: 2分
軽いものと重いもの、まぁ何でもいいです。電子レンジときのこでもいいですし、文鎮ときゅうりでもかまいません。その二つを手に持って、同時に手を離して下に落としたとき、どちらが先に下に落ちるでしょうか。
経験則からいえば、重いものが先に落ちます。落ちるに決まっています。自分の身長くらいだと分かりにくくても、高いところから落とせば一目瞭然、電子レンジや文鎮がすとーんとすばやく落ちていくことでしょう。
でも、かの偉大な物理学者のニュートン大先生が見つけたこの世界の法則によれば、なんと軽いものも重いものも重力で落ちていく速度は一緒になるのです。
ははぁ、いかにえらい人でも間違うことはあるんだな、とまぁ確かにそれはそういうこともありますが、しかし、今回の場合は条件付きなのです。
たとえば、あなたは今「月」にいるとしましょう。アポロ11号のアームストロング船長のように偉大な一歩を踏み出したとしましょう。想像力が大事です。想像ならどこでもいけます。
月面を見渡しても一面の荒野で、岩と砂と地面ばかりで何もありません。もちろんウサギの一匹もいませんし、なんなら空気すらありません。
そこであなたは宇宙服のポケットから(そんなものがもしあれば)、今一度、鉄球と羽根をとりだして同時に落としてみるのです。
きっとその二つは同時に月面に着陸します。
地球上では無理なのに、月ならそうなるっていうのは、月の不思議な魔力とかそんなもんじゃもちろんなくて、実は空気の存在なんですね。
地球上で何かを落とすと、必ず空気の影響を受けます。空気抵抗ってやつです。軽いものほど空気抵抗をうけやすいので、必然、重いものの方が先に落ちるというカラクリ。
空気さえなければいいってことは、地球上でも人が入れるくらい大きな密室を用意して、その部屋の空気をすっかり抜いてしまって鉄球と羽根を同時に落とせば、月と同じことが再現されて、ニュートンの正しさが証明されるでしょう。
部屋自体の空気を抜くなんてバカなこと……と思うなかれ、実際にやった人がいるんです。
頭でわかってても実際に目の当たりにするとちょっと感動しますよ!
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