全身に金粉を塗ると死ぬ?
- 尼子
- 2016年5月18日
- 読了時間: 2分

バラエティ番組などで、タレントがパンツ一丁で全身に金粉を塗って金ぴかになるというのが昔ありました。
子供のころ、そのシーンを見ていたら僕の母親が
「全身に金粉を塗ると皮膚呼吸ができなくなって1時間で死ぬから危ない」
とまじめな顔でいうものだから、僕はなるほどそうなのか、テレビも危ないことをさせるなぁとなんとなく思っていました。
ところで、学校の生物の授業では生き物の呼吸について習います。そこではカエルなどの両生類やミミズのような肺をもたない生き物は皮膚呼吸をすると習いますが、人間に関しては肺呼吸で皮膚呼吸なんてついぞ出てきません。
そうです。
人間は、皮膚呼吸なんてほとんどしていません。※1
母に悪気があったわけではないでしょうが、まだ純粋な私はころっとだまされておりました。
考えても見てください。皮膚からの呼吸ができないと死ぬというレベルなら、お風呂に肩までつかるだけで苦しくて仕方ないでしょうし、皮膚から空気がでてくるのもついぞ見たことがありません。
どうも昔何かの映画で金粉を塗って人を殺すシーンがあったらしく、これはよく知られたデマであるようです。
世の中には、いかにもそれっぽい理由をつけて実はまったくデタラメという話が掃いて捨てるほど転がっています。
でも大抵はちょっと自分の頭で考えてみれば、あれ、おかしいぞ?と気づくものばかりですので、だまされたくない人は少し気をつけてみましょう。
ただ、信じる者は救われるではないけれど、だまされない人が幸せかというとそうは限らないのが人の世の不思議なところ(たとえばプラシーボ効果)。
ちなみに、金粉を塗ると汗腺がつまって確実に体にはよくないので――おそらくいらぬ世話だけど――ほどほどにしましょう。
※1 どうも0.4%程度はしているようだ。
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